感想記事 / 本

悪魔の手毬唄

デリカシーのねえやつは死ににくい

※まだ悪魔の手毬唄を読んでなくてこれから読みたいと思ってる人は見ないでください

先日のブログが大ウソで、『悪魔の手毬唄』も前に読んだことがあったので『獄門島』は四冊目でした。 ほんで犯人が分かった状態で再読してみて、読み終わってwikiやら知恵袋やらを見てみると「そうだったのか~~~」の連続で、獄門島よりこっちのほうが好きです。架空の手毬唄という題材が『楢山節考』から発想を得ているらしくて、ラノベを抜きにしたらとくに大好きな作品の一つなので嬉しいとともに、あれ読んでこれ書けるってどないなっとんねんの気持ちもあり。『楢山節考』は葛藤の中で老いた親を捨てる話なのにこっちは(誤解とはいえ)ガッツリ自分のガキンチョを頭かちわって殺しているわけで……。

推理小説慣れしている人(?)が読んだら、リカの「旦那は一人満州へ~」の話と春江の「ふたりで満州へ高飛びしようと~」を突き合わせて源治郎=恩田だとすぐにわかったんでしょうか。自分は初読時にまったくわかりませんでした。この部分に限らず、『悪魔の手毬唄』の閉鎖的だけどおしゃべり好きな田舎人たちが小出しに金田一へ耳より情報を流していく形式は、読者も一緒に推理できるようになっていてめっちゃ面白いなと思いました。

『獄門島』より好きだと思った何よりのポイントは、こっちは殺人の理由に同情の余地というか納得感があるところ。解決パートではすでにリカは死んでいるので金田一の口からその推測が語られることで、「女の悲劇よ……」的になりすぎないところもよかった。死んだ里子の感情の揺らぎも想像の余地が残されていてかわいそうにオンオン……という気持ち。

ゆかりは初読時から美空ひばりを露骨にモデルにしすぎていて死なないだろうなと思っていました。「枯葉」も越路吹雪版は聴いたことがある。

金田一シリーズで死ななさそうな役どころってなんだろう?と考えてみると、「デリカシーのねえやつは死ににくい」という結論に至りました。中途半端に分別があると加害者か被害者になりやすい気がする。ノンデリ最強!

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