感想記事 / ゲーム

春ゆきてレトロチカ

実写ゲーへの好感度上昇

最近ブログを書くのが億劫でサボっていました。
が、Steamサマーセールで購入したミステリーADV『春ゆきてレトロチカ』がとても面白かったので感想記事を書こうかな……と久々にブログを開きました。マメに書いてる人ってすごすぎる。マメとかコツコツとかと縁のない人生すぎる。

ミステリ小説家の河々見(かがみ)はるかは、 科学者の四十間(しじま)永司の依頼を受け、 編集者の山瀬明里とともに、 富士山麓にある永司の実家、四十間邸を訪れる。

先に微妙だった点を書きます(少ないので)

  • 映像を見る→推理→映像を見る……の繰り返しで、テンポが若干悪い
  • 推理パートがあまり楽しくない(見づらくキーマウだと微妙に操作性の悪いUI、意味のない推理まとめなど)

同じく映像をたくさん見て謎(物語の核心)に迫っていくゲームだと、自分が触れたことのあるものの中では『IMMOTARITY』を思い出します。こっちはミステリーとはちょっと違うのですが、映像中の役者や物体をチェックしたり特定箇所でスロー再生すると別の映像に飛んで少しずつ真相がわかる……という仕組みが斬新でした。それと比べると、ただ映像を見るだけなのでもうちょっとゲームらしい面白い仕掛けが欲しかったです。

推理パートは↓のようになっています。
推理パート

はっきり言ってどのパーツと結びつくのか規則性がなく、ほぼ埋めた後の残りはあてずっぽうになります(「~~とXXは関係がなかった」みたいな仮説を立てるために、関係ない単語同士を結び付けないといけなかったりする)。
いらない仮説は無理に立てなくてもよいのですがSteamのトロフィーもあったりする。南無。

続いて、好きだった点を書いていきます。

  • 登場人物の(特に女性陣の)描かれ方が多様で良い
  • メインの役者が大体演技がうまい
  • 作中の事情により役者がいろんな役で使いまわされるけど、上手い役者の色んな演技が見れて得
  • 過去~現在に至る100年間の事件を綺麗に関連付けていて、シナリオが面白い
  • 自分の感じた限りでは伏線が回収され切らなくて不完全燃焼……という点もない
  • ミステリーオンチ(己)でも解ける難易度

登場人物が安易なパターン化で一面的に描かれるのではなく、だれもが多面性を持つ立体的なキャラクター像で描写されている点がシナリオの面白さに貢献していました。
たとえば長男の四十間一永(しじまかずなが)はデカくてゴツくてガサツなプッツン野郎で、主人公とも当初いがみあっているのですが、それだけではなく一度腹を括った後の向き合い方であったり、自分の短所に自覚的な面が作中に表現されていて「まあこういう奴って、おるな……」と腹落ちできました。

作中では、「過去の事件について書かれた小説を主人公が読み、身近な人物に登場人物を置き換えながら追体験する」という場面が複数回出てきます。「身近な人物に置き換える」関係で、過去の事件についても現代の登場人物と同じ役者が演じています。
ゲーマーに一番知名度が高いのは鎧武で主人公を演じていた佐野岳かな?と思います。はるか昔の記憶よりもずっとずっと演技がよくてびっくりしました。俳優ってすごい。
そのほか、後妻を演じていた横山めぐみさんのお芝居が一番好きでした。
あとゲスト俳優として梶裕貴と麻倉ももが出てくる。あたりまえですが、役者のほうが上手いので浮きます。麻倉もものほうはそこまで違和感なかったんですが……。

ミステリーADVってインディーズに評判の良いものが多く、その中で定価7,480円はスクエニといえど強気すぎるやろという印象は拭えません。サマセで7割引で買った身としては安すぎるのですが、~20時間くらいでフルコン可能なボリュームです。ダラダラと長引かせずにすぱっと話が終わるし、土日の2日あればギリ終わらせられるボリューム感で私にはちょうど良かったです。

以下、ネタバレ含む感想を書いていきます。

ヅカオタの目線で行くとあまりにも真飛さんがちょい役過ぎて終盤で何かあるなぁ……というイヤなメタ読みが働いてしまいます。ただ世間的にヅカOGってほかの女優さんと区別がつかないと思うので、このゲス勘繰りって自分だけかも(?)
あと梶→もちょと2連続で声優が死ぬため、女流棋士の方が出てきた時も死ぬのではないかと予想していましたが違いました。
「共犯者はいない」という前提が最後に覆っちゃってるのが若干納得いかないものの、最終盤まで行くともう迷うような選択はないのでそこで詰まることはありません。

この作品って出てくる女性がみーんないい意味でバラッバラな性格をしており、それが全部ステレオタイプと外れていてよかったです。
後妻の四十間蓉子は元役者のいかにもあだっぽいおば様という初見の印象から、彼女の持つ死生観の語り口や最後に夫を看取るときの笑顔と涙など、どんどん思慮深い面が見えてきて魅力的でした。
犯人・赤椿についても改心しないところが好きです。改心なんてしないまま、ただ自分の持たざるものについて嘆き人を殺して自分も死ぬという結末が潔いです。
その赤椿の、人を殺しながら弔いの花を手向けるという行動原理に対して、「あなたの中では整合性が取れていたのね」という如水の受け止め方も好きでした。そこで説教してもどうにもならないし死人も蘇らないので。

人物を多面的に描こうとするシナリオと実写映像の取り合わせがとっても合っていたと思います。
サマセ終わる前にみんな買ってくれ~~~~

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